遺留分について弁護士に依頼するメリット
遺留分侵害額請求当コラムでは、これまで遺留分に関する様々なトピックを取り上げて参りました。
今回は、遺留分を請求したい場面や、逆に他の相続人から遺留分を請求されているという場面で、弁護士に依頼することのメリットをご紹介いたします。
目次
1 遺留分についてわかりやすく説明いたします
現行の「遺留分侵害額請求」は、令和元年7月1日施行の改正民法から登場しました。
同日以降に亡くなられて相続が発生した場合、この遺留分侵害額請求権に関する規定が適用されます。
しかし、細かい規定も多く、正確に理解するのは困難と思われる方も多いかもしれません。
また、インターネット上では、いまだに改正前の「遺留分減殺請求権」に関する情報も数多く見られるのが現状です。
遺言では全く相続分がなかった、又はほんの僅かしかもらえなかった、という相続人でも、「遺留分」によって最低限の取り分を請求することができます。
請求方法や注意点など、新しくなった「遺留分侵害額請求」について弁護士がわかりやすく説明いたします。
2 遺留分侵害額を正確に計算いたします
遺留分を相手方に請求する場合も、逆に請求されている場合も、ご自身で適正な遺留分侵害額を計算することが必要不可欠です。
インターネット上にも一般的な計算式が掲載されてはいますが、個別具体的な事情をどのように反映すれば良いかについて悩んでしまう場面も多いかと思います。
また、遺留分という権利を適正に主張するために、様々な法律用語や概念について正確に理解する必要があります。
例えば『相続財産』という用語を見ても、何が相続財産に含まれるのか、その財産をどのように評価するのか、いつの時点の財産を基準にするのか、などといった細かな問題に直面することになります。
これら全てに正しく対処するためには、広範な法律知識や判例の理解が不可欠です。
ご自身のケースに合わせて、弁護士が遺留分侵害額を正確に算出いたします。
3 手続を迅速かつ柔軟に進めて参ります
そもそも相手方が遺産を開示しないという場合には相続財産調査を行ったり、財産の評価に争いがある場合には適切な評価額を調査するなど、まずは遺留分侵害額請求を行うための前提問題についても漏れなく検討することが必要です。
その上で、遺留分侵害額請求を行う場合の流れとしては、内容証明郵便による通知、交渉、調停、訴訟という順序で進んでいくのが一般的です。
例えば。相手方が話合いに応じない場合や、主張に隔たりがあり合意に至ることが困難と見られる場合などには、適切なタイミングで調停や訴訟に切り替えることをアドバイスします。
遺留分侵害額請求権には消滅時効も定められているため、十分に注意しながら手続を進める必要がありです。
あるいは、相手方が遺留分侵害額請求について一定の理解を示す場合や、相続の内容全体を見直したいという場合は、タイミングを見計らって遺産分割協議の申入れを行うこともありえます。
弁護士であれば、相続の内容や相手方の状況に応じて、将来の展開も見据えながら硬軟織り交ぜた進行を提案することができます。
4 ご自身に代わって相手方との交渉を行います
遺留分侵害額請求においては、主張内容や金額、支払方法について、相手方と何度も交渉を重ねる必要があります。
また、特別受益や寄与分といった過去の事実を検討していくうちに、身内ならではの軋轢が生じ、対立が深刻化してしまうということも残念ながら少なくありません。
あるいは、長年にわたって疎遠となっていた親族と連絡をとり、交渉を行うといった対応を迫られることもあります。
いずれの場合でも、弁護士に依頼すれば責任を持って交渉全般に対応いたしますので、過大な精神的ストレスを抱えずに済むというのは大きなポイントです。
5 付随的な法律問題にも対処します
相続財産や相続人の調査中に「一部の相続人による使い込みが発覚した」「遺言にない財産が見つかった」「隠し子がいた」というように、遺留分とは別個の法律問題が生じることがよくあります。
また、例えば事業承継が絡む相続では、後継者の支配力強化と非後継者への手当てという難しい調整にも直面します。
遺留分を含む相続問題全般について弁護士が総合的に取り組み、適切な解決へと導きます。
まとめ
これらのメリットは、遺留分侵害額請求を行う場面だけでなく、請求された場面にも共通するものです。
弁護士に依頼すれば、正確・迅速・柔軟・総合的な解決が望めます。
なお、遺留分侵害額請求の行使には期限があります。
遺産や相続人の調査等に時間を要する場合もありますので、早めに弁護士にご相談されることをお勧めいたします。