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大混乱か? 預金が遺産分割の対象との最高裁の決定

昨日、最高裁が、預金債権も遺産分割の対象であるとの決定を出しました。

これまでは、預金債権は相続分で当然分割され、遺産分割の対象ではない、とされていました。

ですから、預金債権は、遺産分割ではなく、各相続人が、金融機関にそれぞれ請求できました。

相続人の一部が多額の預金を生前贈与されていても、特別受益の調整で、相続人間の不平等を解消していたのが実情でした。

しかし、一部相続人が特別受益の調整を拒否した場合には、不平等が生じる結果となっていましたが、ごくまれな例でした。


ところが、今回は、一部の上記不都合のために、預金債権の当然分割を変更し、遺産分割の対象とする判例変更をしてしまったのです。

これにより、これからの遺産分割は大混乱することが予測されます。

まず、被相続人の預金等を頼りに生活してきた配偶者な子が預金を下ろせなくなり、生活に困るようになってしまう結果になります。

補足意見で、家事手続法200条2項の仮分割の仮処分をだせばよい、との意見がありますが、この仮処分はほとんど使われていなく、その要件などはまだ確定していません。


本当に、この制度でカバーできるのでしょうか。

また、一般人が仮処分などできる訳がなく、その手続きが煩雑です。

また、家裁は、今とても忙しく、新たな仕事が増えても対応できるか疑問です。

なによりも、遺産分割事件をできるだけスピーディに処理するために、預金債権などを削り落としてきたのに、この問題を抱えるために、処理が長期化してしまうことです。

また、遺産分割ができるのが遅くなることによって、ごね得が増えて、適正な解決を阻害するのではと懸念しています。

この決定は、実務を完全に無視しているので、現場を混乱させるのも甚だしいと思っています。
私の思いが杞憂となればよいのですが。


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