遺言は、作成も重要だが、保管と執行も大事
遺言のすすめ弁護士による相続対策
遺言書をせっかく作成しておいても、遺言書をどこに保管するのか、誰に執行してもらうか悩まれている人が多いかと思います。
遺言書は、その内容を死後実現してもらうことが実際必要です。でも、相続人らに遺言の内容を話すと生前に争いになるので秘密にしたいと考える方もいるかとは思います。
一般には、相続人の方に、遺言書の存在と執行をお願いしている人が多いかと思います。信託銀行に遺言書の作成を頼み、併せて遺言書の保管(有料)を頼む、弁護士等に作成を頼むとその弁護士に保管(無料が多い)を依頼します。遺言の執行も、相続人や信託銀行、弁護士等に頼むのが普通でしょう。
公正証書遺言の場合、正本を信託銀行や弁護士など遺言執行者に、謄本を自分ないし相続人が保管します。亡くなったとき、相続人からこれら遺言執行者に連絡することになります。
たまに、遺言書を仏壇の引き出しに入れておいて、その存在を家族に知らせていないケースがあり、亡くなると相続人らで遺言書探しが始まることもあります。
最近、遺言書が、死後かなり経過してから発見され、相続人も関係者も遺言書が作成されたことがわからない事例で、2件遺言の有効性が争われ、遺言が無効となった判決を獲得しました。この判決から、遺言の保管と執行については、きっちり伝えておく必要があると思いました。