共同相続人の一人である弟は、数年前から音信不通となっているのですが、遺産分割協議はどのようにしたらよいのでしょうか。
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遺産分割協議を成立させるためには,全ての共同相続人において合意をする必要があります。したがって,家庭裁判所に不在者財産管理人の選任(民法25条)を申し立て、選任された管理人と遺産分割について協議することを検討する必要があります。ただし,不在者の法定相続分は,不在者財産管理人に管理を委ねることになります。
仮に弟さんの生死が7年間以上明らかでない場合には、家庭裁判所に申し立てて失踪宣告(民法30条)の審判をしてもらうと、弟さんは死亡したものと扱われます。この場合弟さんにさらに相続人がいればその方と遺産分割協議をします。
遺産分割終了後,弟さんの生存が確認された場合には失踪宣告は取り消されることになりますが、他の相続人が弟さんの生存を知らなかった場合,遺産分割は有効です。ただし,遺産分割によって得た利益が手元に残っている場合には,返還しなくてはなりません。