父が亡くなり,相続人は私と兄の2人です。兄は,9年前に脱サラしてラーメン店を始めたのですが,その際,父から事業資金として2000万円を援助して貰っています。父は長く入院し,多額の医療費がかかっていたため,父の遺産は400万円しかありませんでした。私は,兄に対して,遺留分を請求することはできるのでしょうか。
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共同相続人の1人に対してされた生前贈与で特別受益にあたるものは,これまでは贈与された時期如何に関わらず遺留分算定の基礎財産に算入されていました。相続法の改正によって,2019年7月1日以降に発生する相続に関しては,遺留分算定の基礎財産に算入される生前贈与は,10年以内に行われたものに限られることになりました。
質問のケースでは,お父様がお兄さんへ援助したのが9年前ですので,現行でも改正後でもいずれも遺留分算定の基礎財産として算入されることになります。
具体的には,相続人は子2名のため,遺留分割合は4分の1となります。遺留分算定の基礎財産は,お兄さんへ生前贈与した2000万円+遺産400万円=2400万円となり,その4分の1である600万円が遺留分額となります。そのため,遺産の400万円を取得し,遺留分に不足する200万円をお兄さんに請求することができます。